今まで2次元のCADを使ってきて、これからBIMを学ぼうと思っている方へ。
Revitでファミリの作成方法を知りたいですか?
本記事では「駐車スペース」のファミリを作成する方法を解説します。
初心者にもわかりやすい簡単なラインを書くだけのファミリですが、ファミリ作成の基本になるのでしっかり学んでいきましょう。
1.Revitでファミリを作成する方法(駐車スペースを作成)
1-1.完成形を確認します
1-2.ファミリエディタツールを起動します
1-3.参照面を作成します
1-4.パラメータを追加します
1-5.駐車ラインを作成します
1-6.作ったファミリを保存・ロードします
2.おわりに
この記事は、日本BIM普及センターの山形雄次郎先生のAutodesk Revit ではじめるBIM実践入門を参考に、自分で実践して学んで気づいた点を記しています。
とても分かりやすい本で、愛用している方も多くいらっしゃいますので、初心者の方におすすめです。
それではいってみましょう。
1.Revitでファミリを作成する方法(駐車スペースを作成)
1-1.完成形を確認します
駐車スペースの配置方法は、過去の記事をご覧ください。
(あらかじめ作ってあるファミリをロードして配置する方法)
Revitで駐車場を配置する方法
まずは完成形を確認するため、プロジェクトブラウザ内の配置図ビューを開きます。
そうすると、以前作成した「駐車スペース」を見ることができます。
シンプルなファミリですが、こちらを作成する方法を解説します。
次に、プロジェクトブラウザ内の<ファミリ>の左にある「+」マークをクリックしてみます。
ここで現在ロードしているファミリの一覧を見ることができます。
駐車場のカテゴリ内に「駐車スペース」のファミリが確認できます。
ファミリタイプが3つ作られていますね。(普通自動車、車椅子用、軽自動車)
次に、ファミリの元データを確認します。
フォルダ内にある、Autodesk Revit ではじめるBIM実践入門の付属データの「駐車スペース.rfa」を選択します。
①右クリック
②プロパティ
③ファミリデータの拡張子が「.rfa」になっていることを確認します。
この「駐車スペース.rfa」データをダブルクリックで開いて確認します。
※Revitのバージョンが違うと「モデルのアップグレードをしますか?」と聞いてくるので、アップグレードするを選択して、データを開きます。
ファミリデータが開かれました。
このような完成形を目指してファミリを作成していきます。
(駐車場の白線ラインを3方に書いた、シンプルなファミリです)
1-2.ファミリエディタツールを起動します
まずは新しくファミリを作成します。
①ファイル
②新規作成
③ファミリ
ファミリテンプレートを選択するボックスが立ち上がります。
ここで「駐車場(メートル単位)」を選択します。
※テンプレートの選択は重要なので間違えないようにしましょう。
ファミリエディタツールが立ち上がります。(ファミリテンプレート)
プロパティ内で、カテゴリが駐車場であることを確認します。
1-3.参照面を作成します
<ファミリの作成手順>は以下です。
①参照面を作成する。
②参照面にパラメータを関連づける。パラメータはプログラムの動作を決定する数値や文字、変数を指します。数値などを動かすとパラメータが変わります。
③モデルを参照面に関連づける(ロックをかける)。
④パラメータを変えると参照面が動き、参照面が動くとモデルが変形するので、結果として、パラメータを変えるとモデルが変形します。
パラメータを変更する→参照面が動く→モデル動く、という流れになります。
それではまずは参照面から作成していきたいと思います。
<作成タブ>→<参照面>をクリックします。
まず横線と縦線を図の位置に書きます。
次に参照面に寸法を記入します。
<注釈タブ>→<平行寸法>をクリックします。
デフォルトで書いてある中央の十字の参照面から、先ほど縦横に書いた参照面に寸法を記入します。
次に参照面を任意の数字に動かしていきます。
①動かしたい縦ライン(参照面)をクリックすると寸法が編集モードになります。
②寸法をクリックして数値を「2500」と入力します。そうすると、線が移動します。
③続けて同じように横ラインを「5000」にします。
以上で参照面が書けました。
1-4.パラメータを追加します
次に、先ほど書いた寸法にパラメータを追加します。
まずは2500の寸法を選択し、
<修正タブ>→<ラベル>→<パラメータ作成>をクリックします。
「パラメータプロパティ」ボックスが立ち上がります。
パラメータタイプでは以下の内容が選べます。
・ファミリパラメータ(集計表やタグには表示できません)
・共有パラメータ(複数のプロジェクトやファミリで共有とODBCへの書き出しができ、集計表やタグに表示されます)
※説明にあるように、ファミリパラメータにすると、そのパラメータは集計表やタグでは利用できません。
集計表やタグで利用したい場合は共有パラメータを選択しますが、こちらは少し難しいので別記事で解説したいと思います。
①今回はファミリパラメータを選択します。
②パラメータデータの名前は分かりやすい名前を付けます。今回は、幅を表す「W」と入力します。
③パラメータグループは「寸法」を選択します。
④パラメータの種類を選びます。今回はタイプにチェックを入れて、「OK」します。
タイプ:タイプごとに変更されるパラメータになります。
インスタンス:要素ごとに個別に変更されるパラメータになります。
寸法が「W=2500」という表記に変わっていることを確認します。
ラベルが「W」になっていることが確認できます。
同じ要領で「5000」の寸法にもパラメータを作成していきます。
パラメータの名前は奥行きを表す「D」と入力します。
1-5.駐車ラインを作成します
駐車場ラインの「サブカテゴリ」(レイヤーのイメージ)を新たに作成します。
<管理タブ>→<オブジェクトスタイル>をクリックします。
「オブジェクトスタイル」ボックスが立ち上がります。
「駐車ライン」のサブカテゴリを新規作成します。
※サブカテゴリとは、2次元のCADでいうレイヤーのようなイメージです。ここでは駐車ラインのレイヤーを一つ追加するイメージです。
①サブカテゴリの「新規作成」をクリック。
②名前に「駐車ライン」と入力します。(駐車場の白線のイメージです)
サブカテゴリは「駐車場」のままで、「OK」をクリックします
サブカテゴリに駐車ラインが追加されました。
右下で「OK」します。
次に線を書きます。モデル線分で書いていきます。
<作成タブ>→<モデル線分>をクリックします。
サブカテゴリを先ほど作成した「駐車ライン」に変更します。
オプションバーにある連結のチェックは外して、オフセットは0.0のままにします。
縦のラインから書きます。
①参照面上で1点目
②垂直におろして、参照面上で2点目
③「鍵マーク」をクリックしてロックすることで、参照面と線のモデルが連結します。
同じ要領でその他の駐車ラインを書いて、ロックします。
これで駐車ラインが作成できました。
次にパラメータを変更して、参照面とモデルの線が連動していることを確認します。
<作成タブ>→<ファミリタイプ>をクリックします。
「ファミリタイプ」ボックスが立ち上がります。
Dの値を「5000」から「2000」に変更して、「適用」して「OK」を押します。
作業画面に戻ると、Dの値が「2000」に変更されていることが確認できます。
※先ほどの手順で、Dの値を「5000」に戻しておきます。
次に普通自動車、軽自動車、車いす用の3つの「ファミリタイプ」を作成していきます。
ファミリタイプとは、一つのファミリの中にあるパラメータの異なるファミリの事で、あらかじめファミリ側で作成することもできますし、プロジェクトファイルにロードした後にプロジェクト内で作成する事もできます。
今回はファミリ側であらかじめ3タイプのファミリを作っておきます。
<作成タブ>→<ファミリタイプ>をクリックしてファミリタイプボックスを開きます。
①パラメータを普通自動車の大きさに設定します。(D5000、W2500)
②新しいタイプをクリックします。
③「普通自動車」と入力し、「OK」をクリックします。
同じ要領で、軽自動車も作ります。Dは「3500」で、Wは「2200」にします。
続いて、車椅子用も作成します。Dは「5000」で、Wは「3500」にします。
3つのファミリタイプを作成することができました。
1-6.作ったファミリを保存・ロードします
最後に作ったファミリを保存します。
<ファイル>→<名前を付けて保存>→<ファミリ>
「名前を付けて保存」ボックスが立ち上がります。
保存したいフォルダを選択し、名前を付けて保存します。
「駐車スペース(二上)」という名前で、デスクトップに保存しました。
次に保存したファミリをロードします。
<プロジェクトデータからファミリをロードする方法>
配置図ビューからロードします。
<挿入タブ>→<ファミリをロード>→デスクトップに保存した「駐車スペース(二上)」ファミリを読み込みます。
<ファミリデータからファミリをロードする方法>
先ほど作成したファミリのデータからロードします。
<作成タブ>→<プロジェクトにロード>をクリックします。
「プロジェクトにロード」ボックスが立ち上がります。
今開いているプロジェクトファイルにチェックを入れて、「OK」をクリックしてロードします。
以上の方法でファミリをプロジェクトにロードします。
プロパティのタイプセレクターをクリックすると、ファミリタイプが3種類作成できていることが確認できます。(普通自動車、車椅子用、軽自動車)
2.おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は駐車スペースのファミリを作成する方法についで解説していきました。
参照面を書いて→参照面にパラメータを関連付け→モデルを書いて→ロックする。
この流れはファミリ作成の基本なので、しっかり覚えていきましょう。
✅Revitをまだ体験されていない方はこちらもご覧ください。
Revitの購入方法を解説します
✅YouTubeで、Revitを学ぶチャンネルを運営しています。
一緒に学んでいきましょう。
https://www.youtube.com/channel/UCdNJGZIifFj6fS1drcgMsZg
✅参考書
Autodesk Revit ではじめるBIM実践入門
山形雄次郎 著