今まで2次元のCADを使ってきて、これからBIMを学ぼうと思っている方へ。
Revitの階段の作成方法を知りたいですか?
本記事では階段について、以下の内容を解説します。
1.Revitの階段の作成方法
1-1.補助線を書きます(中心線)
1-2.階段を書きます
2.断面図で確認
3.おわりに
この記事は、日本BIM普及センターの山形雄次郎先生のAutodesk Revit ではじめるBIM実践入門を参考に、自分で実践して学んで気づいた点を記しています。
とても分かりやすい本で、愛用している方も多くいらっしゃいますので、初心者の方におすすめです。
それではいってみましょう。
1.Revitの階段の作成方法
1-1.補助線を書きます(中心線)
補助線は「参照面」を使って書いていきます。
この参照面を、階段の中心線とします。
<建築タブ>→<参照面>をクリックします。
※参照面とは下書き線としてよく使われるものですが、あくまで「線」ではなく「面」です。
なので、1階で参照面を書いた場合でも、2階、3階にも反映されています。
「面」なので垂直(もしくは水平)にどこまでも続いています。
また、この参照面には名前をつけることができます。
今回なら、「階段中心線」という名前をつけるといいと思います。
さらに、参照面には、「作業面」を設定することができます。
「作業面」を設定すると、その参照面上に線を書いたり、オブジェクトを作成したりが可能となります。
例えば、「屋根の勾配なりに、垂木を配置したい」といった場合、斜めの参照面を作成しておき、その参照面を「作業面」に設定し、斜めの垂木を書きます。
このように参照面はとても便利なコマンドなので、Revitでは下書きに多用されます。
壁面から700オフセットした位置に参照面を書きたいので、
①オフセットに700と入力します→②壁面をクリック→③壁面をクリック
壁面から700オフセットした位置に参照面が書けました。
続いて、南の壁からもオフセットされた参照面を書きます。
④壁面をクリック→⑤壁面をクリック。
さらに縦の補助線を同じく参照面で書いていきます。これが踊り場の階段のスタートラインになります。
今度はオフセットを「3200」に設定し、⑥通り芯をクリック→⑦通り芯をクリック
さらに1階のスタートラインを同じく参照面で書きます。
今度はオフセットを「0」に設定し、⑧交点をクリック→⑨90°の位置でクリック
補助線は以上です。
まずは階段の中心線を書き、その後踊り場のスタートライン、1階のスタートラインを書きました。
1-2.階段を書きます
階段を書いていきます。
<建築タブ>→<階段>をクリックします。
次に「コンポーネントパネル」で階段の形状を設定します。
左に縦3つ並んでいるのが、「踏面」「踊り場」「桁」です。
階段のどこの部分を書きたいのかによって、変更します。
ここでは踏面を書きたいので「踏面」を指定します。
右側に並んでいるのが階段の形状を指定する項目です。
「直線」「フルステップ螺旋」「中心-両端指定による螺旋」「L字型曲がり階段」「U字型曲がり階段」「スケッチを作成」の中から選びます。
ここでは「直線」を選びます。
コンポーネントパネルの指定ができたら、次に「タイプ編集」をクリックします。
ここで「蹴上の最大高」「最小踏み面奥行き」「最小階段経路幅」を指定します。
ここではデフォルトのままの数字にします。
※他にも踊り場の設定や、手摺の設定もできます。
設定ができたら「OK」をクリックし確定します。
次にプロパティで、レベル関係を設定します。
階段のスタートのレベル、エンドのレベルをここで設定します。
ここでは、1FL±0スタート、2FL±0エンドに設定します。
さらにプロパティで階段の段数を指定します。
ここでは15段になっているので、そのまま15段とします。
ここまで設定できたら、いよいよ階段を書いていきます。
①1点目をクリック→②ガイドが出るので、8段目のところで2点目をクリックします。
続けて踊り場から2階への階段を書きます。
③3点目をクリック→④4点目をクリックします。
ガイドを見ると「7蹴上が作成されました」とあります。
初めに8段作成したので、トータルで15段の階段を作成したことになります。
このような階段を作成しました。(踊り場部分は自動で作成されます)
問題なければ、「編集モード終了」の✔をクリックします。
2.断面図で確認
作った階段を断面図ビューで確認します。
<表示タブ>→<断面>をクリックします。
断面を作成したい場所で、①1点目をクリック→②点目をクリックします。
プロジェクトブラウザに「断面図」という項目が追加されるので、ダブルクリックしてビューを開きます。
断面図ビューが開くので、階段がうまく作成できているか確認します。
1FLから2FLに行く階段を作成できました。
3.おわりに
いかがでしたでしょうか?
2次元のCADとは全く違う書き方でしたね。
あらかじめ設定する場所が多く、とても難しく感じられます。
とは言え、2次元のCADで階段を書く時も、それなりの技術が必要でした。
平面図と断面図の位置をきちんと合わせたり、UP・DWの矢印表現を断面図と合わせたり、とにかく頭の中で3Dをイメージしながら書いていくことは、そんなに簡単なことではなかったと思います。
ですので、このRevitでの階段の書き方も、今回ですべて理解するというよりは、少しずつ覚えていければいいなと思っています。
またアップデートしたらご紹介いたします。
✅Revitをまだ体験されていない方はこちらもご覧ください。
Revitの購入方法を解説します
✅YouTubeで、Revitを学ぶチャンネルを運営しています。
一緒に学んでいきましょう。
https://www.youtube.com/channel/UCdNJGZIifFj6fS1drcgMsZg
✅参考書
Autodesk Revit ではじめるBIM実践入門
山形雄次郎 著