今まで2次元のCADを使ってきて、これからBIMを学ぼうと思っている方へ。
Revitの既成ファミリを編集する方法を知りたいですか?
色々な方法がありますが、本記事ではRevitの2D表示で重要な「詳細レベル」を編集する方法ついて解説します。
1.Revitで既成のファミリを編集する方法
1-1完成形の確認
1-2ファミリを編集し、椅子を簡略表示します
2.プロジェクトにロードして確認
3.おわりに
この記事は、日本BIM普及センターの山形雄次郎先生のAutodesk Revit ではじめるBIM実践入門を参考に、自分で実践して学んで気づいた点を記しています。
とても分かりやすい本で、愛用している方も多くいらっしゃいますので、初心者の方におすすめです。
それではいってみましょう。
1.Revitで既成のファミリを編集する方法
1-1完成形の確認
本記事では、椅子のファミリの「詳細レベル」を編集します。
まずは画面左下の「ビューコントロールバー」にある、「詳細レベル」を確認します。
詳細レベルは、
・簡略
・標準
・詳細
の3種類があります。
詳細レベルというのは、2D図面の表現レベルの事です。
一般的にCADで書く2D図面では縮尺によって表現方法を簡略化したり詳細に書いたりします。
例えば縮尺1/100のサッシの表現は単純なものですが、縮尺1/30でのサッシの表現はガラスやサッシ、水切りまで表現することもあります。
Revitでもこのような表現に対応するため、一つの同じファミリでも「詳細レベル」を変更できるように設定することができます。
現状の椅子のファミリの「詳細レベル」は、簡略、標準、詳細とも同じ表現になっています。
なので本記事では、これを「簡略」と「標準・詳細」でそれぞれ違う表現になるように編集していきます。
「簡略」の場合は縮尺1/100、「標準・詳細」の場合は1/50程度の表現を想定して編集します。
1-2ファミリを編集し、椅子を簡略表示します
<編集したい椅子のファミリを選択>→<ファミリを編集>をクリックします。
そうすると、椅子のファミリデータを開くことができ、ここでファミリを編集します。
先ほど開いていたプロジェクトデータと、この椅子のファミリデータは別々のデータであることに注意しましょう。
現状では「ビュー1」という名前の3Dビューが開かれていますが、平面図のビューに移動したいので、
プロジェクトブラウザの<平面図>→<参照レベル>をダブルクリックします。
椅子ファミリの平面図ビューが開かれました。
次にこの椅子ファミリを全て選択します。
左上から右下に向かってドラッグし、選択します。
椅子を選択した状態で、
①フィルタをクリック。
「フィルタ」ボックスが立ち上がります。
②「線分(家具)」のみにチェックを入れる。
③OK
椅子を選択した状態のままで、プロパティの「表示/グラフィックスの上書き」の「編集」をクリックします。
「ファミリ要素の表示設定」ボックスが立ち上がります。
ここでは、現在選択している線(ブルーにハイライトされている椅子の線)を、どの詳細レベルで表示させるかを設定します。
現状は「簡略」「標準」「詳細」共に✅チェックが入っているので、どの詳細レベルに変更しても絵的に変化がありません。
今回は「簡略」と「標準・詳細」でそれぞれ違う表現になるように編集していきますので、「簡略」だけ✅チェックを外して、「OK」します。
次に左下のビューコントロールバーの表示スタイルを「簡略」にします。
そうすると、椅子のラインが薄いグレー色に変わります。
薄いグレー色の線はプロジェクトファイルにロードしたときに何も表示されないという事を意味します。「簡略」レベルだと、何も表示されないという事ですね。
ちなみに表示スタイルを「標準・詳細」に変更すると、椅子のラインが黒色になります。
黒色に表示される線は、プロジェクトファイルにロードしたときに表示されます。
これから「簡略」レベルの表現を作図していきますが、分かりやすいように線の色を変更します。(この作業は説明用なので、する必要はありません)
<管理>→<オブジェクトスタイル>で、「家具」の線を赤色に変更しました。
「簡略」レベルの家具を作図していきます。「シンボル線分」で作図します。
※シンボル線分は、2D図面だけで表現される線で、ファミリを作図する際に使用する線です。
<注釈>→<シンボル線分>の順でクリックします。
①「線」を選びます。
②サブカテゴリは「家具」を選びます。
③「表示/グラフィックスの上書き」の「編集」をクリックします。
詳細レベルの「簡略」のみ✅を入れて、「OK」します。
これから「簡略」の線を書いていくという設定です。
先ほど描画を「線」に、サブカテゴリを「家具」に設定していますので、元々の家具のグレーのラインを下書きにまずは四角に線を書きます。
次に描画のところで「円弧」を選択し、図のような半径=80mmの円弧を書きます。
反対側も同じ円弧を書きます。
次に<修正>→<コーナーへトリム/延長>を選択し、図のように角をトリムします。
これで「簡略」の家具の表現は完成となります。
かなりシンプルですが、1/100程度のスケールの図面でしたらこれくらいでちょうど良いですね。
2.プロジェクトにロードして確認
家具のファミリの修正が終わりましたので、プロジェクトファイルにロードして、実際に上手く表現されるかどうかを確認します。
<修正>→<プロジェクトにロード>
始めに開いていたプロジェクトファイルに移動して、図のボックスが立ち上がります。
「→既存のバージョンを上書きする」を選択します。
現状の椅子の表示スタイルはまだ「標準」「詳細」のままですね。
確認するために表示スタイルをクリックし、「簡略」を選択します。
椅子の表現が「簡略」に変更されました。
先ほど作図した、簡易な表現になっていることを確認します。
3.おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は既成のファミリを編集する際、<修正タブ>→<ファミリを編集>からファミリデータへ移動しましたが、ファミリをダブルクリックするだけでファミリデータへ移動する方法もあります。
その設定は、<ファイル>→<オプション>→<ユーザーインターフェース>→<ダブルクリックオプション>→<ファミリ>、で設定することができます。
ダブルクリックの機能も上手く活用して、既成のファミリをいつでも編集できるようにしておきましょう。
✅Revitをまだ体験されていない方はこちらもご覧ください。
Revitの購入方法を解説します
✅YouTubeで、Revitを学ぶチャンネルを運営しています。
一緒に学んでいきましょう。
https://www.youtube.com/channel/UCdNJGZIifFj6fS1drcgMsZg
✅参考書
Autodesk Revit ではじめるBIM実践入門
山形雄次郎 著